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資金繰りの基礎知識

資金調達にかかる手数料はいくら?税理士に依頼した場合の相場も紹介

運転資金や設備資金が足りず、資金調達したい場合、無償での資金調達ができない場合があります。株式上場していて、そこで出資を募る場合も所定の手数料がかかります。

また返済不要の資金調達である補助金や助成金にしても、商業登記簿謄本や住民票取得などで一定の手数料がかかります。もちろん、補助金や助成金の場合、事業実施後の振り込みになるので、当面は費用自腹で行わなければならないことも押さえなければなりません。

それ以外の有名な資金調達方法を行う場合、どのくらいの

資金調達の手数料相場

それぞれの資金調達方法について、手数料の相場を見ていきましょう。

日本政策金融公庫の融資

政府系金融機関である日本政策金融公庫の手数料、つまり融資利率は

  • 担保あり 1%前後
  • 担保なし 2%前後

になっています。政府系金融機関なので税金が投入されており、一種の「利子補給」となっていて、融資利用者の利息、手数料は民間銀行と比べても大きく抑えられています。

審査についても民間銀行で断られるような人でも政策的判断(倒産させるよりまし)で通すことがあり、難易度的には低くなります。

日本政策金融公庫に直接申し込む方法以外にも、商工会議所、商工会経由で日本政策金融公庫に申し込む「マル経融資」というものも知っておいてください。通常の日本政策金融公庫融資の利息よりもさらに低くなっています。

0.数パーセントの利息で借りられることもあり、手数料を考えないでも資金調達できるレベルになります。しかし、マル経融資を申し込み審査に通過した場合、継続的に商工会議所や商工会の経営指導を受けなければなりません。そうした手間が嫌な人は、日本政策金融公庫に直接申し込むことになります。

メガバンクの融資

大手都銀などメガバンクから融資を受ける場合、手数料(金利)は以下になります。メガバンク以外の地銀についても参考までに紹介します。

  • プロパー融資   0.45%~1.9%
  • メガバンク(担保あり) 1.5%~2%
  • 地銀信金  2%~3%

担保や保証人が要らないプロパー融資を受けられれば金利を大きく抑えられます。日本政策金融公庫の融資と同等の手数料で借りられることもあります。

しかし、メガバンクのプロパー融資は審査基準が厳しく、これを受けられた時点で経営状態が良好で社会的に信用されていることになります。

メガバンクは最初に述べたように店舗も減りつつあり、地域に根差した活動が難しくなっています。営業の社員が巡回に来るということも減っていますので、資金調達のための「お付き合い」も昔ほど効果がありません。

もし、地域の事情も知っている金融機関の助けを借りたい場合、多少手数料(金利)が高くなっても地銀や信用金庫の利用をおすすめします。

ノンバンクの融資

消費者金融など非銀行、信金からの融資です。

手数料(金利)はとても高く

  • 担保あり 5%~15% 
  • 担保なし 6%~18%(利息制限法上限)

が相場になっています。融資の審査は緩く、また審査期間も短いのですが、その代償として高額の手数料(金利)を支払います。

また、ノンバンク系からの借入履歴は信用情報に記載され、以後の融資の際に大きなマイナスになります。ノンバンク、消費者金融=「サラ金」のイメージは強く、他に方法がない場合以外は避けるべきです。

ファクタリング

融資ではなく売掛債権を専門業者に買い取ってもらう比較的新しい方法です。手数料は以下になります。

  • 3社間ファクタリング 1%~5% 
  • 2社間ファクタリング 10%~20%

この手数料は金利と計算方法が異なり、買い取ってもらう売掛債権の何%かをファクタリング会社に支払うものです。

金利換算すると高くなりますが、毎月返済するものではなく、売掛金が振り込まれた際にそこから返済するので、負債になりません。

ファクタリングは融資ではありません。したがって、信用情報に記載されることはないので、緊急時に遠慮なく利用していただいて構いません。

ビジネスローン

ノンバンク系からの借入全般を「ビジネスローン」というケースもありますが、ここでは特にノンバンク系の事業ローンや銀行が行っている無担保で審査が比較的緩い融資を指します。

  • 手数料(金利) 10%~15%

通常の銀行のプロパー融資や担保付き融資と比べて、審査基準は緩いのですが、手数料(金利)がとても高く、ノンバンク系の利率より多少マシという程度です。

信用情報にも記載されます。銀行からの借入であれば「ブラック」というほどではありませんが、信用情報には借入利息も記載されるため、プロパー融資、担保付き融資ではない借入をしていることがわかります。

やはりプラスにはなりませんので、まず他の資金調達方法を探してみましょう。

資金調達の手数料まとめ表

以上の資金調達についての手数料を表にまとめました。これを見て、まずどのような資金調達の方向性で行くのか決めましょう。

資金調達の種類手数料
日本政策金融公庫の融資担保あり 1%前後担保なし(プロパー融資) 2%前後
メガバンクの融資プロパー融資   0.45%~1.9%メガバンク(担保あり) 1.5%~2%
ノンバンクの融資担保あり 5%~15% 担保なし 6%~18%(利息制限法上限)
ファクタリング3社間ファクタリング 1%~5% 2社間ファクタリング 10%~20%
ビジネスローン10%~15%

担保ありの融資の方が、返済できない時のリスクヘッジになるので、手数料(金利)が低くなっています。

メガバンクのプロパー融資は利用できれば非常に得ですが、審査条件が厳しく、借りられるだけで優良企業としてアピールできるくらいのものです。

もちろん、手数料だけで資金調達方法を決めるのは危険です。実際に現金が手に入るまでの時間(迅速性)や信用情報への記載の有無なども考慮してください。信用情報がマイナスになると以後の資金調達が難しくなる可能性もあります。手数料が安いだけで決めないように判断してください。

基本的に日本政策金融公庫が一番低く、次いで銀行系、そしてノンバンク系になります。まず日本政策金融公庫の融資を検討し、それが難しい、時間がかかりそうな場合は銀行系、銀行融資が難しく、資金調達が間に合いそうもない場合は、ファクタリングにすべきです。

ノンバンク系からの融資は、信用情報に記載されます。ノンバンク系からの借入履歴があると「信用情報ブラック」に近い形、あるいはそのものになり、以後の融資に重大なマイナス評価となります。

信用情報ブラックにならないためには、日本政策金融公庫からの融資か、メガバンクをはじめとする銀行融資、そもそも融資ではない資金調達方法であるファクタリングの活用がおすすめです。

ノンバンク系からの融資やビジネスローンは本当にそれをしないと事業が倒産してしまうくらいの状態に追い込まれないと利用するべきではありません。利用するための手数料(金利)の高さもそうですが、信用情報の問題で割に合いません。融資まで多少時間がかかっても良いなら、金利が低く、審査基準も緩い日本政策金融公庫に、時間がないならファクタリングの利用をおすすめします。

税理士への依頼相場

資金調達の専門家として税理士がいます。税理士がお金を貸すことはありませんが(違法です!)、金融機関とのやり取りや、コネクション、補助金や助成金の申請代行や融資に必要な事業計画書の作成などをお願いできます。

税理士への依頼手数料(依頼報酬)は融資金利などにプラスしてかかります。また、資金調達に失敗(融資の審査に落ちる)などしても支払わなければならないものもあります。

可能な限り歩合制、成果報酬に部分が多い契約をすべきです。その方が税理士もがんばります。手数料の相場としては以下になります。

日本政策金融公庫からの融資 着手金:約3~5万円 成功報酬:調達額の3~5%程度金融機関からの融資 着手金:約2~5万円 成功報酬:調達額の2~5%程度補助金や助成金など 着手金:約2~5万円 成功報酬:調達額の15~25%程度事業計画書のみ作成などスポット的な依頼 約3~5万円

ポイントは「着手金が安い」「成功報酬が高い(ただし高すぎない)」という税理士です。安かろう悪かろうではダメで、しっかり資金調達まで導いてくれる、その代わり報酬をある程度請求するプロフェッショナルです。

着手金(成功失敗にかかわらず支払う手数料)も成功報酬も安い税理士には罠があるかもしれません。例えば、みなさんの税務顧問になる(当然毎月顧問料が発生する)のを前提に安く引き受けるなどのケースです。

当然向こうはプロですので、そうなるような条項が入った契約書を締結して逃げられなくします。

安いだけの専門家報酬には罠があると意識して、相場に見合った税理士を探してください。もちろん、税理士に依頼しなくてもしっかり利益を上げていれば、資金調達は問題ないはずです。

まとめ:資金調達は手数料を抑えて実施しよう

資金調達する際にはなるべく手数料が安い方法を取りましょう。特に日本政策金融公庫は政府系金融機関で、税金が投入されているので、融資利率も低く、審査基準も緩めになっています。

資金調達までにある程度時間的余裕があるなら、日本政策金融公庫への問い合わせをおすすめします。急な資金調達で日本政策金融公庫やメガバンク(銀行)融資の余裕がない場合、ファクタリングの利用をおすすめします。ファクタリングならば信用情報は無関係です。

ノンバンク系融資やビジネスローンは信用情報がマイナスになるので、最後の手段にしてください。

税理士に資金調達を依頼する場合は、成果報酬の割合が大きい人にしましょう。結果を出すようがんばってくれるはずです。税理士については「安かろう悪かろう」はデメリットが大きくおすすめしません。

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