1. HOME
  2. コラム
  3. 資金繰りの基礎知識
  4. 請求書の買い取りサービスとは?仕組みやメリットを分かりやすく解説

COLUMN

コラム

資金繰りの基礎知識

請求書の買い取りサービスとは?仕組みやメリットを分かりやすく解説

資金繰りを改善し、資金を調達したい場合、まず融資を思い浮かべる方がいらっしゃるはずです。

しかし、融資は審査に時間がかかります。最低でも半月、長ければ1か月くらい資金化までに時間がかかるので、急な資金調達の需要には対応できません。

また、融資を複数、多数受けている場合は、より審査が厳しくなります。返済できないと判断されてしまうと融資は実行されません。

そこで紹介したいのが請求書買取サービスです。請求書買取サービスを上手に活用することで、融資に代わる資金調達方法として、みなさまの事業にご利用いただけます。

今回は請求書の買取サービスについて、仕組みやメリットを詳しく、わかりやすく解説していきます。

請求書買い取りサービスとは

請求書買取サービスは「ファクタリング」という名前でここ15年くらいの間に急速に広がっている資金調達方法です。今回は「請求書買取サービス」という名称で説明しますが、ファクタリングと置き換えていただいても構いません(検索も「ファクタリング」で出ます)。

請求書買取サービスは、みなさんがお持ちの、取引先、売掛先に出す請求書を本来の売掛金支払日前に買取るサービスです。

11月末日締め 12月末日払い 100万円

の請求書があります。本来は12月末日(銀行最終営業日)に100万円売掛先から振り込まれますが、12月10日に資金が足りなくなった場合、「100万円を12月末日に受け取る権利を書いた請求書」を買取ってもらうというサービスになります。

これで12月末日を待たずに売掛金を入手でき、資金化調達できます。

請求書買い取りサービスの仕組み

請求書買取サービスは融資ではありません。請求書を買取るので、お金の貸し借りではなく、中古ゲームや古本を売却するのに近い仕組みです。

12月末日100万円を受け取る請求書は、そこから手数料を引いて買取られます。つまり、買取金額は80万円~90万円くらいになります。

本来12月末日100万円受け取れるものが80万円~90万円で前倒し入金できるシステムになります。

12月10日に前倒し入金をして、資金調達した後、本来の売掛金100万円が12月末日に売掛先から振り込まれるので、速やかにその100万円を請求書買取サービス業者へ入金します。

12月10日 請求書買取を行い(100万円-手数料)を入手

12月末日 売掛先から100万円入金

 同日  速やかに100万円を請求書買取サービスへ入金

基本的にこの流れになります。

請求書買い取りサービスのメリット

請求書買取サービスは融資にはないメリットがあります。このメリットが大きい場合、融資ではなく請求書買取サービスを検討してください。

保証人・担保が不要

請求書買取サービスは無担保、無保証人で利用できます。そもそも「〇日に△△万円受け取る」という売掛金契約や請求書がある意味担保として機能します。

期日が到来すれば、売掛先から入金されるので、それが担保として機能します。新しく担保を提供する必要はありません。

資金繰りの改善ができる

請求書買取サービスは資金繰り改善につながります。請求書買取サービスで資金調達する方法は「アセットファイナンス」と呼ばれ、資産の売却による資金調達です。

一方、融資によって資金調達することを「デットファイナンス」と呼び、こちらは調達した資金と同額の「負債」を抱えることになります。負債は会社の経営を圧迫します。返済義務があり、利息も支払わなければならないため、一時的な資金調達はできますが、どんどん借入の余力がなくなり、資金繰りが悪化します。

お金の流れをキャッシュフローと言いますが、請求書買取サービスはキャッシュフローを改善しますが、融資は返済をともなうため、キャッシュフローが悪化してしまうことがあります。

キャッシュフローが悪化すると、新たに資金調達が難しくなり、結果として会社の資金繰りは悪化します。融資は資金繰り悪化、請求書買取サービスは資金繰り改善に矢印が伸びています。

審査に通りやすい

融資の場合、審査に時間がかかり、信用情報照会なども行われます。過去に返済事故、返済遅延を起こしている会社の場合、信用情報照会でそれがバレるので審査について大幅マイナスとなります。

しかし請求書買取サービスは融資ではないので、信用情報照会はなく、審査についても簡便です。要は、売掛先から期日に資金が振り込まれれば良いわけで、売掛先が大企業や行政機関、官公庁などであれば倒産や支払い遅延はあり得ないので、審査は形式的なものになります。

みなさんの信用以上に売掛先に信用があれば、請求書買取サービスは問題なく利用できるでしょう。

請求書買い取りサービスのデメリット

請求書買取サービスにはメリットだけではなくデメリットもあります。デメリットが大きいと判断すれば、従来のように融資による資金調達も考えてください。

手数料がかかる

請求書買取サービスで資金調達できる金額は【請求書の額面-手数料】です。

この手数料が数%~20%かかります。本来100万円で受け取れる売上が80万円しか受け取れない可能性もあります。

全額売掛金を回収できず、多額の手数料を支払う可能性があります。ひょっとすると、本来の期日まで待った方が結果的に良い結果をもたらすかもしれません。

債権譲渡登記が必要な場合がある

請求書買取サービスは、「期日に〇〇万円受け取ります」という債権を買取してもらうことです。つまり民法上の債権譲渡にあたります。

債権譲渡は当事者が合意すれば成立しますが、請求書買取サービスによっては、第3者へ債権譲渡を対抗(主張)するため、債権譲渡登記を求めることがあります。

債権譲渡登記は不動産登記や会社設立登記と同様、法務局で手続きが必要です。時間的なコストや登記の法定費用もかかり、面倒です。迅速な資金調達が可能な請求書買取サービスなのに、これでは融資の方がマシかもしれません。

調達金額は売掛金に左右される

請求書買取サービスで資金調達が可能なお金は、請求書の金額を超えません。【請求書の金額-手数料】以上の資金調達ができないので注意してください。

もし請求書の金額以上の資金調達をしたい場合、請求書買取サービスではなく「動産担保融資」という別の資金調達方法になります。

請求書買い取りサービス利用のタイミング

請求書買取サービスを利用するタイミングについても考えましょう。請求書買取サービスは短期間で資金化まで進めるので、すぐに動けば数日内に希望額を手にできます。

入金サイクルを改善したい場合

請求書買取サービスによって売掛金回収サイトを調整できます。予想以上に出費がかさむ、あるいは事業拡大のため買掛金が多くなり、その支払日が売掛金入金日よりも前になってしまうと、売上があるのに現金がないという「黒字倒産」の危機に陥ります。

請求書買取サービスによって、当座の売掛金回収サイトを早め、その中で売掛先と売掛金支払いサイトについて相談して早めるなりしましょう。

あるいは買掛先に相談して、買掛金支払いサイトを延ばすという交渉も可能です。入金サイクル、あるいは入出金サイクルを見直すための方法に請求書買取サービスはなりえます。

急な資金調達が必要な場合

請求書買取サービスは最短即日、遅くても数日以内に資金調達できます。建設業の方で、急な大型案件があり、ぜひ受けたいが融資を待っては間に合わない、など「すぐにお金が必要」という場合、請求書買取サービスとの相性が良いです。

建設業(あるいは運送業やIT業)などは、売掛先の支払いサイトが長いため、まだ入金されていない売掛金があります。それを請求書買取サービスで資金化して、次の仕事のための運転資金にするのは理にかなっています。

それ以外にも急な資金調達が必要な場合、消費者金融などに頼る前に、まずは請求書買取サービスを行いましょう。

借入での資金調達が難しい場合

すでに借入過多の場合、あるいは過去に返済遅延などを起こしている場合、借入での資金調達が難しいケースがあります。特に後者は「信用情報ブラック」と呼ばれ、融資の審査で大幅マイナスとなります。

融資は法律で信用情報照会が義務付けられているので、過去の返済事故を隠せません。しかし、請求書買取サービスは融資ではないので、信用情報照会がありません。いくら借入していても、それを確認する方法も意味もありません。

請求書の売掛先が信用でき、期日に入金されるならば請求書買取サービスで資金調達ができます。

請求書買い取りサービスの選び方

請求書買取サービスは全国各地で増えています。どのように選べばよいのでしょうか。

手数料率

手数料率がなるべく低いところを選びます。請求書買取サービスは、依頼人と買取サービスは会社2社で完結するものと、それプラス売掛先の3社が合意して行うものがあります。

2社間の請求書買取サービスならば手数料率10%~15%、3社間ファクタリングの請求書買取サービスならば手数料率5%未満が優良な請求書買取サービスの目安になります。

利用限度額

請求書買取サービスによって買取れる売掛金(請求書額面)の金額が変わります。自社の事業規模に応じて必要な金額を買取ってもらえる請求書買取サービスを選んでください。

入金までの期間

即日資金調達可能な請求書買取サービスもありますが、そうしたところは当然手数料率が高くなります。今日、明日資金が必要なのか、1週間くらい待てるのかで選ぶ請求書買取サービスが変わります。

  • 即日、翌日資金調達可能な請求書買取サービス:手数料高め
  • 1週間くらいかかる請求書買取サービス:手数料低め

個々の請求書買取サービスによって差はありますが、この傾向を覚えておいてください。

まとめ:急な資金調達が必要なら請求書買い取りサービスがおすすめ

急な資金調達や信用情報に問題があるなど、銀行融資を利用するのが難しい場合、請求書買取サービスをおすすめします。

消費者金融からの借入は経営を圧迫し、信用情報をさらに悪化させます。現金商売出ない限り、売掛金の請求書がありますので、いざというときの資金調達方法として請求書買取サービスを検討ください。

請求書買取サービスは融資ではありませんので、信用情報に影響しません。必要なだけ都度利用も可能です。少額の売掛債権でも買取できる請求書買取サービスもあります。

会社の資金調達方法の1つとしてぜひ請求書買取サービスを知ってください。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

メール
お電話