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ビジネスローンとファクタリングの違いは?共通点や選び方を紹介

迅速な資金調達が必要な場合、融資に代わって利用されるのがビジネスローンとファクタリングです。

両者は最短即日で資金調達が可能なことなど似ている部分も多いですが、本質的には異なる資金調達方法になります。

両者の共通点と相違点は何なのでしょうか?。また、それぞれどのようなケースで使われるべきなのでしょうか?

今回はビジネスローンとファクタリングを比較しながら、両者の選び方について解説します。

ビジネスローンとファクタリングの違い

まず、ビジネスローンとファクタリングの違いについて押さえておきましょう。本質的に両者は異なるものになります。

ビジネスローンは負債が発生する「デットファイナンス」、ファクタリングは自社の資産を売却する「アセットファイナンス」という違いがあります。両者は資金調達の分類では明確に区別されます。

契約内容

ビジネスローンはノンバンクが行う事業用ローンで融資の一種です。基本的な流れは銀行融資と同じで、貸金業法や利息制限法が適用されます。

ファクタリングは売掛債権の譲渡です。「売掛金〇〇〇万円受け取る権利」を入金日前にファクタリング会社に買い取ってもらいます。融資ではないので、銀行法、貸金業法、利息制限法などの適用は受けず、当事者間の自由な意思表示による民法上の債権譲渡契約になります。

審査基準

審査基準は融資とは異なります。ビジネスローンは「スコアリングシステム」というものを使って審査しています。これは、統計モデルに基づき、申込者である個人・企業の信用度を点数化することで審査を行います。 

スコアリングは、ビジネスローン申込人の会社について、決算書・信用情報・過去の同業他社の融資データなどを計算します。そして、その会社に融資した場合の「貸倒率」を予測しし、貸し倒れ(返済できない)リスクが低ければビジネスローンの審査を通すというものです。

ファクタリングは融資ではないので、売掛金が期日に確実に売掛先から入金されるかをチェックします。信用情報照会もなく、売掛先が信用できる(公的機関や大企業)ならば審査に通りやすくなります。

どちらも融資のように時間をかけてじっくり審査をするわけではなく、特定のポイントをチェックするイメージです。

資金調達コスト

資金調達のコスト、つまり金利、利息に相当するものですが、ビジネスローンは「融資」なので支払利息は利息制限法の上限内になります。つまり15%~20%(借入金額による)になります。

銀行融資の場合、利息は1%台からありますが、ビジネスローンの場合は利息制限法のほぼ上限になります。これを超えた部分は違法で無効になります。

ファクタリングは融資ではないので、利息に相当する手数料は利息制限法の適用対象外です。したがって、手数料を年利換算するとかなり高くなり、利息制限法の上限超えどころか、100%を超えることもあります。

ただし、一部のファクタリングは売掛先が信用できる物の場合、手数料を年利換算して10%未満、通常の融資と同程度のものもあります。

  • ビジネスローンの金利:利息制限法の上限付近
  • ファクタリングの手数料金利換算:10%未満~100%超え

となります。

資金調達可能額

ビジネスローンの場合、借入上限額が約1000万円という制限があります。年収何億円の会社もビジネスローンで借入できるのは最高1000万円です。

ファクタリングは売却した売掛債権の金額次第です。1億円の売掛金があれば、手数料を引いても9000万円以上で買い取ってもらうことも可能です。あとは、買い取りするファクタリング会社の規定次第です。数億円で買い取れるファクタリング会社もあれば、最高3000万円というファクタリング会社もあります。

銀行評価

ビジネスローンからの借入=消費者金融からの借入なので、銀行からの評価はマイナスになります。ビジネスローンは融資なので信用情報に記載され、銀行からの信用情報紹介でバレてしまいます。

ファクタリングは融資ではないので、信用情報に記載されません。新しく銀行から融資を受ける場合も、銀行の信用情報紹介でファクタリングの事実はバレません。

むしろファクタリングによって、「売掛金」勘定を現金化するので、貸借対照表の「オフバランス化」がなされ、効率的でスリムな経営をしているとプラス評価になる可能性すらあります。

ビジネスローンとファクタリングの共通点

ビジネスローンとファクタリングは異なる種類の資金調達(デットファイナンスとアセットファイナンス)ですが似ている部分もあります。両者の共通点についても押さえておきます。

即日で資金調達が可能

ビジネスローンとファクタリング、双方とも最短即日での資金調達が可能です。審査にかかる時間は融資とはまったく異なります。

「明日までにお金が必要」「数日内に支払いをしないと会社が大変なことになる」といった場合、融資では不可能な迅速な資金調達が可能になります。

ただし、両者とも書類がすべてそろっていて、不備なく提出できた場合、「即日入金されることもある」ということです。数日内の入金は普通に可能ですが、即日入金、即日資金調達は上手くいった場合ですので、しっかり事前に必要書類を準備しておきましょう。

オンライン申し込みに備えて、書類をPDFなどにデータ化しておくことも大切です。

担保・保証人が不要

担保と保証人が不要なのも共通しています。通常の銀行融資でも、無担保無保証人の「プロパー融資」はありますが、条件が厳しく、審査に時間がかかります。また無担保無保証人でも、信用保証協会の保証を求められることもあります。

ビジネスローンとファクタリングは、無担保無保証人がデフォルトになります。迅速な資金調達を可能にするのは担保や保証人を付けないことも影響しています。

審査が通りやすい

融資と比べてビジネスローンとファクタリングは審査に通りやすい傾向にあります。ただ、「審査が甘い」ということではなく、審査方法が融資とは異なっているので、結果的に通りやすくなっているように見えるのです。

上述のように、ビジネスローンの審査は「スコアリングシステム」を用います。また、ファクタリングの審査は申込人の信用よりも売掛先の信用を重視します。

申込人の決算状況や財務諸表、借入額等を時間をかけて審査する通常の銀行融資とは異なる審査基準であることが、審査が通りやすいのでは?という共通項を生んでいます。ビジネスローンとファクタリング、それぞれ審査が通りやすいと思う理由は異なっています。

ビジネスローンでの資金調達が向いている場合

ビジネスローンでの資金調達が向いているのは、ケースが限られます。ビジネスローンで資金調達すべきなのは以下のケースです。

  • 売掛債権がなくファクタリングできない
  • 必要な金額が1000万円以下である
  • 融資を待っていては経営上大きなリスクがある

ビジネスローンは「融資」の1種なので、信用情報照会があり、ビジネスローンを利用すると信用情報にその旨が記載されます。

ビジネスローンはノンバンク、消費者金融からの借入なので、「消費者金融からの借入歴」が信用情報に残ります。信用情報は5年~10年消えません。その間、消費者金融からの借入歴ありとわかるので、銀行融資などの際大きなマイナス点になります。

消費者金融から借入する時点で信用できない、と判断する金融機関もあります。そのため、ビジネスローンを使わないと会社が倒産の危機に陥るなど、背水の陣、最後の手段としてのみ利用が正当化されます。

それ以外の場合はビジネスローンを使うのはおすすめしません。

ファクタリングでの資金調達が向いている場合

ファクタリングは、融資ではないので信用情報照会もなく、「信用情報ブラック」(過去に返済事故を起こした人)の現実的な資金調達方法になります。

また売掛債権があれば、誰でも利用でき、利用しても信用情報に記載されないので、迅速な資金調達を必要としていて、なおかつ、売掛債権を持っている事業者すべてにおすすめできます。

また、売掛金回収不能リスクをファクタリング会社に移転できるので、売掛金支払日に売掛先が振り込むか不安な場合、資金需要に関係なく、ファクタリング会社に買い取ってもらい早期現金化することで、売掛債権が不良債権化するのを防げます。

  • 迅速な資金調達をしたい場合
  • 「信用情報ブラック」の場合
  • 売掛先の経営に不安がある場合
  • 信用情報に借入歴を残したくない場合
  • 売掛金を早期に回収して「黒字倒産」のリスクを減らしたい場合

など幅広くご利用いただけます。

ビジネスローンはネガティブな消去法の選択ですが、ファクタリングは前向きな経営手法の1つとして使えるのが魅力です。

まとめ:自社の状況に合わせて資金調達方法を決めよう

資金調達方法を自社の状況に合わせて適切に選択できることが、優れた経営につながります。

経営の基本は「キャッシュフロー経営」で、常にお金の流れを把握し、適切な金額の資金調達を可能にできるよう、複数の資金調達方法の「カード」を持っていてください。

今回紹介したビジネスローンとファクタリングはそのカードの1つです。通常の融資以外にも適切な選択ができると、自社を倒産や不渡りの危機から救います。

倒産は売上減だけでなく、売上があっても「黒字倒産」という可能性もあります。今回紹介したファクタリングは黒字倒産を防ぐためにも利用できます。適切な資金調達によって自社の経営上のリスクを減らせます。

ぜひ複数の資金調達方法を知っていただき、その状況に合った選択をしてください。融資、ビジネスローン、ファクタリング、だけではなくクラウドファンディングや補助金、ベンチャーキャピタルなどの方法もあります。

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