ファクタリングの手数料相場は?手数料を決める要因と内訳を紹介
ファクタリングは、売掛金を現金化できる仕組みです。最短即日で資金を調達できたり、信用情報に影響が無かったりなど、さまざまな魅力で人気急上昇中です。
ファクタリングは利点の多いシステムですが、手数料が発生するという側面もあり、注意が必要です。
この記事では、ファクタリングの手数料の相場や内訳など、詳しい情報を分かりやすくご紹介します。
ファクタリングの手数料に関する基礎知識
ファクタリングの手数料は、売掛債権を取引する際に発生し、ファクタリング会社側の利益になります。
手数料を抑えられれば、売掛債権を高く買い取ってもらえるので、無駄のない取引のためにも必ずチェックすべき項目です。
手数料の設定方法はファクタリング会社によって異なるため、どの会社と契約するのかどうかも重要なポイントです。
ファクタリングに金利はない
ファクタリングは、金利が存在しない資金調達手段です。その理由は、ファクタリングは「融資」ではなく、あくまでも「売掛債権の譲渡」だからです。
ファクタリングは売買取引の一種というスタイルのため、利子が発生しません。
また、銀行や消費者金融からの融資には利息制限法などの法律が適用されますが、ファクタリングには適用されず、かなり自由な取引が可能です。
ファクタリングの手数料には上限がある
ファクタリングの手数料は、年20%が上限と言われています。
貸付行為における年20%を超える利息設定は出資法違反の対象になります。
ファクタリングは貸付行為と判断されるケースがあるため、悪質なファクタリング会社でない限り、手数料が20%以上になることはありません。
手数料の上限は、ファクタリング会社が良心的に運営されているかどうかの基準にもなります。
ファクタリングの手数料に消費税は課税されない
ファクタリングの手数料に消費税は一切かかりません。
なぜなら、売掛債権を含む金銭債権取引の手数料は非課税という法律が存在するからです。
手数料に課税するファクタリング会社は、悪質に運営されている可能性が高いので注意してください。
【手法別】ファクタリング手数料の相場
ファクタリング手数料の相場は、手法によってさまざまです。相場が決まる要因はいくつかありますが、取引を2社間・3社間のどちらで行うかがかなり大きなポイントになります。
2社間ファクタリングの場合
2社間ファクタリングは、ファクタリング会社・自社の2社間で取引を行います。
利用者は、ファクタリング会社への売掛債権の売却から、売掛金の回収までを自分で行う必要があります。そのため、2社間は3社間よりも売掛金を回収できないリスクが高まります。
そういったリスクを考慮して、2社間ファクタリングの手数料は10〜30%と高めに設定されています。
2社間ファクタリングのメリットは、債権譲渡の事実が取引先にバレにくいという点です。
取引先へ悪い印象を与えたくなければ、2社間で完結させることをおすすめします。
3社間ファクタリングの場合
3社間ファクタリングは、ファクタリング会社・売掛先の取引会社・自社で取引を行います。
3社間ファクタリングは売掛先の取引会社の合意を事前にもらってからスタートするため、売掛金を回収できないリスクがかなり低くなります。
そのため、3社間の手数料は1〜10%と安めに設定されます。
取引会社からの信頼を失う可能性を考慮した上で、3社間ファクタリングを利用しましょう。
>>3社間ファクタリングとは?仕組みやメリットデメリットに解説
【種類別】ファクタリング手数料の相場
ファクタリングにはいくつか種類があり、それぞれ異なった手数料相場が存在します。
一括ファクタリング
一括ファクタリングの手数料の相場は、売掛金の回収リスクに大きく左右されます。
回収できない場合、最終的にはファクタリング会社に負担がかかるため、手数料は高めに設定されます。
前述した通り、リスクの高い2社間ファクタリングは10〜30%、3社間ファクタリングは1〜10%です。
医療・診療報酬ファクタリング
医療・診療報酬ファクタリングの種類には、「診療報酬ファクタリング」「歯科診療報酬ファクタリング」「介護報酬ファクタリング」「調剤報酬ファクタリング」の4つがあります。
医療機関からの未回収リスクはほとんど無いため、手数料相場は1〜2%とかなり低めに設定されています。
ただ、入金まで2ヶ月ほど要するので、計画的な取引を心がけましょう。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは、国外の企業との取引時に利用されるファクタリングです。国内ファクタリング会社のみで完結させず、海外のファクタリング会社と連携して信用・リスクの調査を行います。
国際ファクタリングの手数料の相場は1〜2%で、安価に設定されています。その他にも、信用状が不要といったメリットもあります。
保証ファクタリング
保証ファクタリングは他のファクタリングと少し異なり、売掛金の未回収リスクを回避する目的で利用されます。
手数料は2~15%で、売掛先の信頼度によって変わってきます。
売掛金を回収できない場合、今後の経営状況に大きく影響する可能性があります。
保証ファクタリングを利用すれば、ファクタリング会社が未回収分の売掛金を負担してくれるため、最悪のリスクを避けることができます。
ファクタリング手数料の内訳
ファクタリング手数料の内容を理解しておけば、納得して支払いに進めます。
あらかじめファクタリング手数料の具体的な内訳をチェックしておきましょう。
基本手数料
基本手数料は、ファクタリング手数料の大半を占めます。「売掛金」と「買取金額」の差額を指し、ファクタリング会社の取り分になります。
基本手数料は売掛先の業績や信用に比例します。売掛先の経営状況が悪いほどリスクが高まるため、基本手数料もアップします。
登記
ファクタリングにおいて、債権譲渡登記が求められるケースがあります。
債権譲渡登記にかかる費用は、以下の通りです。
- 司法書士への報酬 5~10万円
- 登録免許税 7,500円
債権譲渡登記を行うメリットとして、2重譲渡のリスクの回避が挙げられます。手数料の軽減や、審査通過の可能性アップにも効果的です。
経費
取引において発生する事務的な経費を請求するファクタリング会社があります。
この経費の価格で、ファクタリング会社が良心的かどうか分かる場合があるため、要チェックです。
不透明な経費内訳を見つけた際は、すぐに説明を求めることが大切です。
ファクタリングの手数料を決める指標
ファクタリングの手数料を決める指標は、全部で4つ存在します。
売掛先の信用力
ファクタリングにおいて、売掛金の未回収リスクは常に存在します。そのリスクを少しでも下げるためにも、売掛先の信用力は非常に重要です。
売掛先の信用度が低いと、売掛金を回収できる可能性も下がるため、手数料は高く設定されます。
売掛金の金額
ファクタリング会社は、手数料の一部を利益とします。
売掛金が高額であればその分ファクタリング会社の利益も大きくなるため、手数料は安価になります。
ファクタリングの手法
2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか、その手法によって手数料は異なります。
その理由は、前述した通り、売掛金の未回収リスクが変動するからです。
利用回数
ファクタリングの利用回数が多く、安全に売掛金回収を完了した実績があれば、ファクタリング会社からの信用度も高まります。
そのため、回数を重ねるごとに手数料は低くなる可能性があります。
ファクタリング手数料を安く抑える方法
ファクタリングにおいて、手数料はできるだけ安く抑えたいですよね。ファクタリング手数料を安価に抑える方法をいくつかご紹介します。
3社間ファクタリングを利用する
3社間ファクタリングは、売掛金未回収リスクの低さに伴って、手数料も安くなります。
2社間か3社間のどちらを選ぶかで、手数料は大きく異なります。
審査の適切なファクタリング会社を選ぶ
ファクタリング会社は多く存在しており、それぞれ審査内容や基準が異なります。複数のファクタリング会社を比較し、自分に合った特徴を見つけましょう。
債権譲渡契約を結ぶ
ファクタリング会社や売掛先の会社と、口頭などで契約を締結するのは非常にリスクがあります。書面で債権譲渡契約を結べばリスクも下がるため、手数料も低くなります。
複数の業者から見積もりをとる
ファクタリング会社とコンタクトを取り、実際の見積もりを提示してもらいましょう。複数のファクタリング業者の見積もりを比較すれば、手数料が安価な業者が見つかります。
ファクタリングの手数料以外に発生する費用
ファクタリングにおいて、ファクタリングの手数料のほかに発生する費用があります。
審査手数料
ファクタリング会社によっては審査手数料が無料のケースもありますが、5000円ほど請求する業者もあるので、チェックが必要です。
印紙代
ファクタリングで売掛債権譲渡契約を結ぶ時に、印紙代がかかります。売掛金の額によって異なり、おおよそ200〜20万円(5万円未満は非課税)です。印紙代はファクタリング会社によっては手数料に含まれる場合もあります。
登記費用
前述した通り、2重譲渡のリスクを防ぐために、ほとんどのファクタリング取引で債権譲渡登記が行われます。ファクタリング会社によっては手数料に含まれる場合があります。
まとめ:ファクタリングの手数料は賢く安く抑えよう
ファクタリングは短時間の資金調達が可能な魅力的なシステムです。しかし、高額な手数料によって損をする場合もあります。
ファクタリングの手数料はできるだけ安く抑えて、効率的な取引を行いましょう。
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