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資金繰りの基礎知識

資金繰りが苦しい企業がすぐにできることとは?原因や改善方法も紹介

資金繰りの悪化は企業経営に直結する大きなリスクになります。

運転資金が支払えない、設備資金がなく壊れた機械が修理できない、従業員へ給与を出せない、このような状況に陥ってしまうと、経営の存続ができなくなってしまいます。

資金繰りが苦しい時には、すぐに資金調達して緊急の「輸血」をしなければなりません。今回は資金繰りが苦しい時にできることを考えてみましょう。資金繰りが苦しいときにすべきこと、資金繰りが苦しいがやってはいけないことがあります。

資金繰りが厳しい時のすぐできること

資金繰りが苦しいときにできることをまず解説します。本来は融資を受けられれば良いのですが、融資を待っている時間はありません。まず、自力救済でできることを考えましょう。

資産の売却

遊休資産があれば売却してお金に換えてしまいましょう、不動産、使わない車両、機械などを売却しても自社の事業継続にはあまり影響しません。固定資産を有することで固定資産税が発生しさらに経営を圧迫してしまいます。

「アセットファイナンス」の手法で自社のいらない資産を売却しましょう。知的財産権などの売却も考えられますが、これは本当に最後の最後の手段にすべきです。知的財産権を使って今後も事業をしていくわけで、その放棄(売却)は最終手段になります。

在庫・経費・人件費の削減

経費や人件費の削減はイメージ的にすぐわかるはずです。余計な経費は削減して支払いを減らしましょう。

人件費削減も確かに効果がありますが、この物価高の中で行うのはリスクがあります。最低でも経営陣の役員報酬を大幅に削減したうえで、従業員の人件費に手をつけるべきです。転職を促してしまうリスクも当然理解しておきます。

在庫の削減は、すでに不良債権化している在庫については資産ではなく「負債」になってしまいます。これを金融機関が査定すれば融資は難しくなってしまいます。速やかに在庫を減らして貸借対照表をスリム化しましょう。在庫を抱えることで、倉庫などの維持費もかかってしまいます。

ファクタリング

ファクタリングは売掛債権の売却です、売掛金の入金日前に「○日に売掛金をもらう権利」を売却してお金に換えます。期日前に現金が入ってくるので急な資金調達に迫られた場合は有効な手法です。

ファクタリングは融資ではないため、信用情報照会がありません。過去に返済事故などがあり、「信用情報ブラック」の人でも問題なく資金調達できます。何らかの事情で融資を受けられない人もファクタリングならば問題なく資金調達できます。

売掛金がないとできない手法なので、現金商売の人には向いていません。

資金繰りが苦しい時でもやってはいけないこと

資金繰りがいくら厳しくても手を出してはいけない方法があります。この方法に手を出すくらいならば、経営破綻、不渡りを起こした方がマシかもしれません。会社の責任を超えて、経営者本人の責任になり、プライベートな生活が破壊されるおそれがあります。

融通手形の発行

あまり聞きなれない言葉ですが、通常の手形割引は取引がある手形を期日前に割り引いて現金化します。

しかし融通手形は手形の根拠となる取引がありません。架空の取引なのに手形を発行して、それを割り引いて現金化する手法です。架空の手形の相手先の同意も取り付けますが、取引先は「この会社は経営がやばい」という印象しか受けないでしょう。

架空の取引を手形割引のシステムを使って現金化する手法で、期日手形分を支払うかどうか保証がありません。取引がないのですから、そこから生まれる売上、利益もないからです。

非常にリスクがある資金繰り改善方法です。

ビジネスローンの利用

消費者金融などノンバンク系貸金業者が行っている高利の融資がビジネスローンです。ビジネスローンの利用自体は違法ではなく、合法な行為ですがそれによって受けるデメリットが大きすぎます。

ビジネスローンの利用によって以下の不利益を受けます。

・利息制限法上限いっぱいの利息を返さなければならない

・融資なので信用情報にビジネスローンの利用歴が記載される

・ビジネスローンの利用歴のある事業者にまともな金融機関(銀行や信金)はお金を課さない

・融資の審査でビジネスローンの利用歴があるだけで大幅な減点になる

ビジネスローンの利用歴があると、以後の融資の際に詰んでしまいます。ビジネスローンの利用歴があっても借りられるのは、同じ消費者金融系のビジネスローンや、一部の高金利の銀行、および事情によっては日本政策金融公庫くらいです。

一時しのぎのビジネスローンが今後の経営において、資金繰り改善の選択肢を大幅に狭めてしまうことになります。

闇金融の利用

これはいうまでもありません。闇金融は法的に認められない存在です。当然法規制も及びません。利息制限法を無視した金利を設定し、恫喝や脅迫をともなう取り立てをします。

ひょっとすると自分や家族に危害が加えられるかもしれません。違法な存在なので弁護士を立てて戦えば勝てるかもしれませんが、固定電話もない闇金融では訴状を送ることができないかもしれません。

結局泣き寝入りになるか、プライベートな資産まで強奪される脅迫に屈してしまうか、いずれにしても悲惨な末路しか考えられません。

給料や支払いの滞納

対外的な信用を失ってしまいます。取引先への支払い滞納は取引停止の原因になります。口座や手形が落ちなければ「不渡り」になり事実上倒産とみなされます。

従業員への給料の未払いは、労働基準法違反になります。それ以前に、給料の未払いをする会社からは、従業員が去っていきます。今は、売り手市場で求人倍率も上がっています。賃上げがトレンドなのに給料の未払いでは論外です。

税金の滞納

税金や社会保険料の支払いを滞納していると延滞税が発生します。また、税務署から目をつけられ、税務当局によって会社の財産差し押さえが行われる場合があります。財産指しさえとなれば資金繰りどころの話ではなくなります。

いうまでもなく納税は国民の義務の1つです。義務を果たさない事業者には金融機関はお金を貸しません。税金未払いは融資の審査で決定的なマイナス材料になります。返済遅延よりも重大なマイナス要素になります。

そもそも、税金を滞納する事態になれば、事業は継続できないものとご認識ください。

資金繰りが苦しくなる原因

なぜ資金繰りが苦しくなるのでしょうか?その原因がわかれば、資金調達以前に資金繰りを改善できるかもしれません。資金繰りが苦しくなる原因として考えられるのは以下になります。

在庫が多い

過剰在庫を抱えると、倉庫代や管理費に余計な出費が重なってしまいます。そもそも在庫が多いということは、売れない商品が多いということでもあり、市場のニーズに合わない商品を製造し続けていると、不良在庫を処分できないことになります。

在庫一掃セールなどを行い、とにかく身の丈に合った在庫規模や商品の製造をしないと、無駄な物を作り続けてしまい、資金繰りが苦しくなってしまいます。

無駄な出費が多い

以前と同じような感覚で、誰も利用しない福利厚生プランへの加入、乗らない自動車の購入、客が来ないのに一等地の事務所を借りるなど無駄と言える出費が多ければ、当然資金繰りが厳しくなります。

本当に必要な経費と切り詰められる経費を分別して、後者については見直してください。仕入先をより安くてクオリティに影響しないところに変えるなど、取引先全般の見直しも経費削減になるかもしれません。

入金が遅い

売掛金の入金サイトが遅い、長いと資金繰りが苦しくなります。売掛金は資産計上しますが、実際に現金化していないため自己資本の現金、預金にはなりません。

売上があっても手元にキャッシュがないため、支払いのお金がなくなり資金繰りが悪化、最悪「黒字倒産」の原因になります。

売掛金の入金サイトを見直せば、資金繰りが改善する可能性があります。せっかく売上があるのに入金サイトの関係で資金繰りが悪化、倒産の危機に陥ってしまうのは非常にもったいないことです。

まとめ:資金繰りが苦しければ専門家に相談

このような原因で資金繰りが悪化してしまいます。資金繰りが苦しいときには、悪化要因を除去しながら資金調達をしなければなりません。

ビジネスローンなどに手を出すのは悪手であり、当座を凌ぐためファクタリングなどの手法を検討してみてください。

資金繰りについて詳しい専門家に相談することで、苦しい状況の打開策が見つかります。自己流で改善しようとすると、悪手を選んでしまうかもしれません。ここでは専門家の客観的なアドバイスを聞いてみましょう。

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