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ファクタリングの基礎知識

経費・領収書ファクタリングとは?利用の危険性や問題も解説

売掛債権を現金化する手法として注目されているファクタリングですが、そのファクタリングの1つの手法として「経費・領収書ファクタリング」というものがあります。

請求書を買取ってもらう形のファクタリングがメジャーですが、領収書を買取ってもらうということはどういうことでしょうか?経費・領収書ファクタリングはどのようなメリットとデメリットがあり、おすすめできるものなのでしょうか?

今回は新しいファクタリングの仕組みである「経費・領収書ファクタリング」について考えていきます。

経費・領収書ファクタリングとは?

ファクタリングは「後日○○○円をもらう権利」(売掛債権)をその期日到来前にファクタリング会社に買取ってもらうことが多い(買取ファクタリング)のですが、今回紹介する経費・領収書ファクタリングはそれとは若干異なります。

みなさんが会社で仕事をして、出張旅費(飛行機、新幹線代、ホテル旅費)、交通費(タクシー代など)、接待交際費(取引先との飲み会など)、消耗品費(文房具等)を立て替え払いすることがあるはずです。

通常は立て替えた後、毎月の締め日までに人事や会計に領収書を提出し、現金精算、もしくは給料と一緒に振り込みになるはずです。しかし、会社の立て替え経費が多すぎて自分の生活費にまで影響を及ぼすケースがあるかもしれません。

立て替えた経費の精算までに現金が足りなくなってしまう場合、その経費を証明する領収書をファクタリング会社に買取ってもらう、これが「経費・領収書ファクタリング」になります。

領収書を人事、会計に提出すれば「後日(清算日)に領収書の金額を受け取れる」ので、その権利を売掛債権に見立てて売って、期日到来に現金化する手法になります。

買取りの対象となる経費は、後日会社で精算できるものに限られます。自分が立て替えたものであり、

・飲食代

・交通費

・携帯代金(自分の携帯を社用にした場合)

・交際費

・宿泊費

などが該当します。あくまで自分が立て替えて支払ったものに限られます。それ以外の領収書を勝手に現金化することは、社内の懲戒処分などに該当する可能性があります。

経費・領収書ファクタリングのメリット

経費・領収書をファクタリングするメリットは何なのでしょうか?メリットがあるから新しくファクタリングで採用されているはずです。

即日現金化が可能である

ファクタリングは債権の買取なので、融資のように厳しい審査がありません。領収書によって確かにご自身が支払い、後日、会社から清算されることが確認できれば、ファクタリング会社は速やかに買取りします。

数日で現金化が可能で、最短だと即日、その日のうちに領収書は現金になります。すぐ資金を手にできるのが大きなメリットです。

金融ブラックでも利用可能である

経費・領収書ファクタリングは融資ではないので、審査の際信用情報の照会がありません。つまり、過去に自己破産したり、返済遅延事故を起こしていたりする「金融ブラック」の人でも利用できます。

ブラックなことを起こした事実が知られないので、今、目の前にある領収書の内容で買取りできるかどうかを審査します。

周囲に知られずに利用できる

経費・領収書ファクタリングは、基本的に「2社間ファクタリング」の枠組みとなるため、申込者(経費を立て替えた人)とファクタリング会社のみで契約が成立します。

職場にバレず領収書を本来の精算日前に現金化できます。バレないので人事評価が下がることもありません。そもそも、そんな多額の経費をみなさんに立て替え払いさせる方が悪いのかもしれません。

経費・領収書ファクタリングの危険性

経費精算前に現金化できるというメリットはありますが、それ以上に危険性、デメリットがあるのが経費・領収書ファクタリングです。以下の点に注意してください。

手数料が非常に高額

ファクタリングは融資と比較して手数料が高いことが知られていますが、経費・領収書ファクタリングはその中でもかなり高く、手数料率が20%~50%と言われています。領収書の金額、つまり自分が立て替えた金額の半分くらいしか現金化できないこともあります。

通常の2社間ファクタリングでも、手数料率は高くて30%です。それと比較しても圧倒的に手数料率が高く、正直、現金化せずに精算を待った方がいいかもしれません。

領収書の偽造を勧めてくる業者がある

領収書があれば現金化できるので、その偽造を勧める業者がいます。業者にとっては、高利貸しをするのと同じメリットがあります。安く貸して、高く返済してもらえばいいので、もはや債権買取ではなく、違法な闇金融と同じ立て付けになってしまいます。

貸金業登録をしていない業者が大半

ファクタリングの中でも経費・領収書ファクタリングは、より融資に近いイメージであり、本来は貸金業法(ないし銀行)許可が必要だと言われています。

しかし、通常のファクタリング以上に貸金業登録をしている業者は少なく、非常に不安です。売掛金の買取であれば貸金業許可は不要かもしれませんが、領収書の買取りはそれではダメなのです。

運営会社の情報が曖昧

通常の買取ファクタリングをしている大手会社は正々堂々自社情報を公開していますが、経費・領収書ファクタリングを行っている会社(全部ではありません)の中には、会社情報をあいまいにしているところが少なくありません。

自社の情報を知られると困るところが運営している可能性があり、反社会的勢力の隠れ蓑や闇金融が経費・領収書ファクタリングを行っているかもしれません。

給料ファクタリングと酷似している

経費・領収書ファクタリングは、会社から一定のお金を受け取る権利を買取ってもらう仕組みなので、いわゆる「給料ファクタリング」と仕組みが似ています。

給料ファクタリングについては2020年、裁判で「ファクタリングとして認められない、違法である」「貸金業と同じ」という判決が出ました。そこから考えると、貸金業許可がないファクタリング会社が経費・領収書ファクタリングを行うのは違法になる可能性が高いです。

もし貸金業許可がある場合、手数料は年利換算して利息制限法上限20%を超えてはなりません。手数料率20%~50%は年利換算すると100%を超えるので、当然、その手数料率も違法です。

「手数料率を年利換算して20%を超えない貸金業許可を持つファクタリング会社の経費・領収書ファクタリングのみ合法になる余地がある」というのが正解になります。そんな会社はほとんどないので、経費・領収書ファクタリングはほぼ違法なのです。

経費・領収書ファクタリングを利用すると起こる問題

つまり、経費・領収書ファクタリングを行っている会社は、反社会的勢力や闇金融のダミー会社である可能性が高いので、批判上等で、かつてのサラ金や闇金融が行っている迷惑行為、違法行為を平気で行います。

催促の電話が執拗にかかってくる

休日、深夜、早朝などお構いなしに取り立ての電話を掛けます。当然、メンタル的にやられてしまい、どんどん精神的に追い詰められてしまいます。

悪質な取り立てが来る

家に取り立てに来るのは違法です。これは貸金業の規定を逸脱した闇金融と同じ行為になります。返済しないのであれば、まず電話やメールで促し、それでもだめなら書面で通運、内容証明郵便を経て、法的措置になります。

威圧的に家に取り立てに来るのはやってはいけないことです。

職場や家族に電話される

家族や職場に電話するファクタリング会社もあります。家族にバレると家庭崩壊の原因になりますし、職場にバレれば地位が危なくなり懲戒処分を受けるでしょう(会社宛の領収書を勝手に現金化しているのですから)。

領収書の宛名で職場はバレます。社名を偽装すれば、有印私文書変造罪等に該当する可能性があり、もっと大変なことになります。

つまり、経費・領収書ファクタリングを行っている業者は、反社会的勢力などの生き残りが多く、その取り立て手段も反社会的勢力のそれと変わらないことになります。やはり、経費・領収書ファクタリングを利用するのはリスクが高いと言わざるを得ません。

請求書ファクタリングとの違いに注意

今回の記事からファクタリング全般が違法で危険かと思われる人がいるかもしれませんが、通常のファクタリングである「請求書ファクタリング」は合法な契約です。

そもそも、請求書と領収書はまったく性格が異なります。

請求書:財やサービスの提供などを行った際に発生する、売掛金を請求するための書類

領収書—代金の支払いが行われたという事実を証明するための書類

請求書は正当な取引で生じた売掛金を請求し回収する権利であり、売掛先に支払義務がある正当な「債権」(売掛債権)です。一方、領収書は単に代金の支払いが行われた証明書に過ぎません。

請求書ファクタリングについては金融庁からも「売買契約」によって、法的に認められているサービスとお墨付きが出ています。手数料率については考えなければなりませんが、売掛債権の売買は合法であり、手形割引などに近く、比較的安心できる仕組みです。

今回紹介した経費・領収書ファクタリングは違法性が強い可能性があるので、請求書ファクタリングと同じイメージで考えないようにしてください。

まとめ:経費・領収書ファクタリングの仕組みを理解して、悪質な業者に注意しよう

経費・領収書ファクタリングは、行っている業者の反社会性が強く(まともな業者もごく一部ありますが)、裁判で違法だとされた「給料ファクタリング」と似ているため、利用はおすすめできません。

まずお金がないなら、別の方法を考えてください。領収書の宛名は会社名であり、それをご自身の判断で現金化することのリスクも踏まえて、利用の可否を慎重に検討してください。

手数料率の高さなどメリットは少なく、デメリットが多いのが経費・領収書ファクタリングです。ファクタリングの中でも異質なメニューであり、もし利用する場合も悪質な業者には、くれぐれも気を付けてください。

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