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短期借入金とは?長期借入金との違いとメリット・デメリットを解説

借入を受けることは経営上よくありますが、「短期借入金」と「長期借入金」を意識して使っている人はどのくらいいるでしょうか?

短期借入金と長期借入金の違いを知ることでより戦略的な経営ができます。今回は短期借入金についてフォーカスして、長期借入金との違いに言及しながら、そのメリットやデメリットについて考えていきます。

経営を成功させるため、ぜひ短期借入金についてマスターしてみてください。

短期借入金とは?長期借入金との違い

短期借入金と長期借入金の大きな違いは返済までの期限です。また、同じ借入ですが返済方法が異なります。

それぞれの違いについて解説します。

返済期限の違い

短期借入金と長期借入金で大きな違いはその返済期限です。直近の決算日から借入して1年以内に返済期限がくる借入金を「短期借入金」、1年以上先に借入期限がくるものを「長期借入金」と言います。

決算時に貸借対照表を作成しますが、その時点から1年以内の返済が短期借入金、それ以上先の返済期限が長期借入金になります。借入してから1年が両者の境ではなく、決算時から1年が境になります。

つまり、2023年6月決算の会社が4月に借入した場合

  1. 2023年12月返済期限 (決算月から6か月)→短期借入金
  2. 2024年5月返済期限  (決算月から11か月)→短期借入金
  3. 2024年7月返済期限  (決算月から1年1か月)→長期借入金

となります。2のケースは借入時から13か月(1年1か月)経過していますが、貸借対照表が作られる決算時から起算すると11か月なので短期借入金勘定になります。貸借対照表にも1や2の借入は短期借入金、3の借入は長期借入金として計上することになります。

返済方法の違い

短期借入金と長期借入金ではその返済方法も異なります。

短期借入金の返済方法は、経営上の利益(売上によるキャッシュ)だけではなく売掛金の回収金によって返済する場合もあります。

一方、長期借入金の返済は利益(売上によるキャッシュ)と減価償却費で対応します。つまり、返済期限が1年以内の短期借入金の場合、売掛金の回収も返済原資にできるので、売上による返済原資を確保できない赤字の会社でも融資を受けられることがあります。

短期借入金の種類

短期借入金は銀行からの借入金だけではありません。いくつかの種類がありますので説明します。

証書貸付

通常の金融機関での借入です。借入した人と金融機関が「金融消費貸借契約書」を取り交わし融資を受けます。

手形貸付

返済期限1年以内の「借入用手形」を銀行に差し入れることにより、融資を受けられます。

手形というのは、記載された金額を期日までに支払う、ということを約束する証書で、手形法によって細かく規定されています。

手形貸付の場合、「借入用手形」では、融資を受ける側が「振出人(手形の発行をする者)」となり、銀行が「受取人(手形の金額を支払う義務のある者)」となります。

融資を受ける側が、銀行に「〇日までに借りた〇〇〇円を支払います」という「手形を切る」ことになります。「手形を切る」は日常生活でも慣用句として「絶対守る約束をする」という意味で使われることもあります。

ファクタリング

売掛金を第3者のファクタリング会社に買い取りさせる方法です。融資ではないので、厳密には短期借入金にはなりませんが、大きなカテゴリとして短期借入金に含めることもあります。

売掛金の回収によって一括返済するので、まさに短期借入金の返済方法と合致していて、とても相性の良いものになります。

売掛金のサイトが1年を超えるものはまずないので、返済期限1年以内で期日が到来した売掛金の回収によって一括返済できることになります。

当座貸越

融資の限度額を設定し、その限度額までであれば、毎回の融資審査の必要がなく、借入申込書1つで融資を受けたり返済できたりします。融資のサブスクリプションというイメージです。

当座貸越の融資限度額を「極度額」と言います。極度額300万円であれな借入が300万円以内であれば、その枠で口座に出し入れするように、借入と返済を繰り返せます。

銀行は当座貸越にあたり、極度額を設定しても大丈夫か、厳正な審査を行います。審査が通ると、銀行と「当座貸越契約書」を交わします。

その後は、毎回の審査の必要なく、いつでも借入申込書1つで融資が受けられます。

短期借入金のメリット

短期借入金にはメリットがあります。それをまとめました。

利率が低い

長期借入金と比較して短期借入金の利率は低い傾向になります。300万円を5年で返済しますというのと1年で返済しますというのでは、後者の方が金融機関が受けるリスクが低いからです。

返済原資が少ないから広く長く薄く返済しなければならない長期借入金と、返済原資があるから短期で返済できる短期借入金では、後者の方が業績が良いと判断され、利息も低くなります。

審査が比較的緩い

短期借入金を契約できるということは、業績が良く返済原資があるからで、そうした会社の融資審査は緩くなります。

毎月2万円しか返済できませんという会社と毎月10万円でも20万円でも返済できます、という会社では当然後者の方が大丈夫だと金融機関は判断します。

利息のみの返済で期日の延長が可能

金融機関次第になりますが、当面利息支払いのみで、一定期間経過後元本の返済が始まる契約も長期借入金よりも短期借入金の方がしやすくなっています。

短期借入金のデメリット

一方短期借入金のデメリットもあります。場合によっては返済期限の長い長期借入金にした方がいいケースもあります。

1回の返済金額が多い

1年以内に全額返金するので、当然1回当たりの天災額が多くなります。借入時は売上もあり問題なく返済できると思っていても、その後の経営状況の悪化で、そんなに高額の返済ができなくなるかもしれません。

最初から長期借入金で毎月の返済額を抑えておいた方がよかったかもしれません。なお、返済期限を延長する条件変更は、信用情報にしっかり記載され、当然マイナス評価になります。

借り換えできない可能性がある

長期借入金の借り換えは比較的容易にできますが、短期借入金の借り換えは銀行側に拒否される可能性があります。

残り数か月の借入を借り換えしたいと言われても、「それならまず一括で全部返済してよ」と金融機関側に言われてしまいます。

すぐに返してくれるから金利を低くしたのに、それを借り換えされるのは金融機関にとっても利益にならずネガティブにとらえられてしまうかもしれません。

短期借入金の仕訳方法

短期借入金を仕訳する場合、どうなるのでしょうか?典型的な仕訳をまとめました。

ケース1 借入期間10か月の借入金を利息とともに返済した

「銀行から、10か月後の返済予定で運転資金300万円を借り入れ、普通預金口に入金された。」

借方貸方
普通預金3,000,000円短期借入金3,000,000円

「10か月前に借り入れた200万円について、利息1.5万円とともに普通預金から返済した。」

借方貸方
短期借入金3,000,000円普通預金3,015,000円
支払利息15,000円

ケース2 長期借入金の残期間が1年以内になった

長期借入金で借入したものが期限1年未満になれば短期借入金勘定になります。

したがって以下の仕訳を行います。

「決算期になり1年以内に返済する予定の『長期借入金』300万円を『短期借入金』に振り替えた。」

借方貸方
長期借入金3,000,000円短期借入金3,000,000円

ケース3 借入を継続した

1年間の短期借入金の範囲であれば、手形貸付の延長も可能です。

「手形を担保とする期間4か月の500万円の借入があり、この借入を継続することにした。利息として5万円支払い、更新して期間4か月月の手形を振り出して差し替えた。」

借方貸方
短期借入金5,000,000円短期借入金5,000,000円
支払利息50,000円当座預金50,000円


期限を迎える借入金の返済と、新たな借入金が生じたとして処理をします。

手形取引なので、普通預金ではなく「当座預金」口座でのやり取りになります。

ケース4 手形借入を返済して借り換えを行った

「200万円の手形借入を返済し、同額の借り換えを行った。借り換え分について、6か月4%の利息が差し引かれて入金された。」

手形借入は、通常3か月~6か月の期間の借入になります。借入の際、期間最終日に支払期日とする手形を振り出します。借入した人が「最終日に借入金を返済します」という手形を切るわけです。

手形貸付実行時には利息が差し引かれて入金されます。手形割引の際に手数料を支払うイメージです。利息は最後ではなく、資金を借入れた時に割り引いて前払いします。

借方貸方
短期借入金2,000,000円当座預金2,000,000円
借方貸方
当座預金1,960,000円短期借入金2,000,000円
支払利息40,000円

利息 200万円×4%×6/12(半年分)=4万円

ケース5 当座借越契約を締結し、借入をした

当座借越契約には、A専用当座借越とB一般当座借越があります。

ここではわかりやすいように、専用当座貸越を説明します。「一定の額まで借入を行うことができ、その額までいつでも借入、返済できる」という方法です。

「当座借越契約を締結し、300万円を借入れた。」

借方貸方
当座預金3,000,000円短期借入金3,000,000円

「200万円を返済した。」

借方貸方
短期借入金2,000,000円当座預金2,000,000円

「再び100万円借入した」

借方貸方
当座預金1,000,000円短期借入金1,000,000円

このようにATM感覚で借入、返済できるのが当座貸越の特徴です。

まとめ:資金調達ならファクタリングの活用がおすすめ

短期借入金の場合、メリットもありますが、借り換えが難しいなどデメリットもあります。短期借入金をするくらいならば、売掛債権を売却して、売掛金回収日に一括で返済する「ファクタリング」をした方がリスクが少ないです。

短期借入金の返済とファクタリングの返済は似ています。短期借入金は融資であり、信用情報に記載されます。借入回数が多いとマイナスになり、いざという時の高額融資を受けられない可能性があります。

ファクタリングは融資ではないので、信用情報に記載されません。いざというときの融資は、信用情報が白い(記載ない)状態で臨めるので、リスクが減ります。

また、融資ではないので、銀行法や貸金業法などの適用も受けず、当事者間の合意が優先され、臨機応変な対応を取れます。

信用情報に記載されないので、まず1回、短期借入金感覚でファクタリングによる資金調達をやってみてはいかがでしょうか?おすすめの資金調達方法になります。

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