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ファクタリングの基礎知識

ファクタリングと融資の違いとは?適切な資金調達方法も解説

経営者にとって資金調達は事業存続において大変重要な業務のひとつです。資金調達の中には銀行での借入を含めた融資や自社の保有している売掛金を売却することにより資金調達が可能となるファクタリングがあります。それぞれの違いは何であるのか、特徴を説明しながら適切な資金調達方法を考えていきます。

ファクタリングと融資の違い

ファクタリング、または融資の利用を考えている事業主からすれば資金調達であることに変わりはありません。しかし、ファクタリングと融資はさまざまな点で異なったファイナンスです。

どういった点が違うのかについて説明します。

資金調達できる金額

調達方法調達可能金額
ファクタリング10万円~数億円
ビジネスローン~1,000万円
信用保証協会保証融資~2億8000万円
プロパー融資無制限(審査による)

※あくまで目安です。

ファクタリングと融資とでは調達可能金額によりかなりの差があります。

ファクタリングは売掛金を買い取るファクタリング会社の規模や特性により調達可能金額に開きがあります。また、ファクタリングは売掛金の個々の買い取りですので、売掛金額が上限となります。

一方、金融機関の融資にはさまざまな種類があります。

  • ビジネスローン

保証会社の保証をつけての融資です。審査が早いことがメリットでありますが、保証料込みの利率は10%を超え割高となっています。

  • 信用保証協会保証融資

全国51ある信用保証協会に金融機関が保証を依頼する融資です。金融機関にとって、債務者が不測の事態に陥って返済不能となった場合でも、信用保証協会が債務者に代わって弁済してくれるといったリスクゼロであるメリットがあります。また、利用者(債務者)にとっても、1%台での低利の融資を受けることが可能です。一方、借入時には金利以外に保証料を支払う必要があります。

また、利用できる企業規模が定められているので注意が必要です。

(参考:東京信用保証協会 https://www.cgc-tokyo.or.jp/business/able.html

  • プロパー融資

金融機関の裁量で行われる融資で、融資上限はない一方、審査が厳しいのがデメリットであります。債務者が返済不能となった場合、金融機関は100%の損失を受けることになります。そのため金融機関は、連帯保証人や担保を求められることがあります。

資金調達にかかる費用

調達方法資金調達にかかる費用
ファクタリング・買取手数料・司法書士報酬・登録免許税・出張費
融資・金利・事務取扱手数料・担保調査手数料・司法書士報酬・印紙代・(保証会社への)保証料・割引手形取立手数料

ファクタリングは融資の「金利」に相当する「手数料」を徴収します。

また、3社間ファクタリングで売掛金が高額である場合、ファクタリング会社は売掛先に債権譲渡の同意の書類を求める一方、第三者に対抗できるよう売掛金に債権譲渡登記を設定することがあります。その際、司法書士報酬や登録免許税が発生します。

融資は金利以外に事務諸費用が必要です。また、不動産を担保として徴求する場合、(根)抵当権などを設定するためファクタリング同様司法書士へ設定を依頼し、その報酬が発生します。

資金調達までの期間

調達方法種類資金調達までの期間
ファクタリング2社間ファクタリング1日~3日
ファクタリング3社間ファクタリング5日~3週間ほど
融資貸金業ビジネスローン1~3日
融資銀行ビジネスローン1~5日
融資信用保証協会保証融資3週間~1ヵ月半
融資プロパー融資3週間~1ヵ月

ファクタリングでは2種類のファクタリング形態があります。

  • 2社間ファクタリング

申込人とファクタリング会社との取引で、審査が通ればおよそ3日以内に資金交付が可能となります。ただし、手数料が割高となる特徴があります。

  • 3社間ファクタリング

申込人、ファクタリング会社、売掛先の3社間でのやりとりとなります。売掛金をファクタリング会社へ債権譲渡することが必要であり、譲渡に同意する書類を提出します。また、高額な売掛債権などにはファクタリング会社は債権譲渡登記を行うこともあります。そのため、2社間ファクタリングより時間がかかります。

その他注意点として、申込人は3社間ファクタリングにより売掛先にファクタリングを利用していることを知られることになります。そのため、売掛先との間の信用にヒビが入る可能性があります。

融資では、内容によってさまざまで、ビジネスローンでは、銀行であっても即日に審査結果が判明することもあります。ただし、信用保証協会保証融資やプロパー融資では通常、営業店での審査でなく信用保証協会や本部の融資部などで審査するため1ヵ月近く時間がかかる場合があります。

返済までの期間

調達方法期間
ファクタリング売掛期日まで(1~2ヵ月)
融資1ヵ月~10年

ファクタリングは、売掛金の買い取りであるため、売掛金の期日が返済までの期間となり、売掛金は通常1~2ヵ月で回収されます。

融資の場合、運転資金など一過性の資金需要であれば、手形貸付などで1~3ヵ月といった短期での借入がメインとなります。また、設備資金など長期にわたって借入する場合、一般的に最長10年までの融資となります。

返済方法

調達方法返済方法
ファクタリング・期日一括
融資・期日一括・分割・残高スライド

ファクタリングに関しては売掛金の期日に一括返済を行います。

融資は手形貸付であれば期日一括の返済で、証書貸付であれば毎月決まった金額を毎月分割して返済します。また、事業性カードローンであれば、前月の残高に応じて返済金額がスライドすることがあります。

審査対象

調達方法審査対象
ファクタリング基本的に売掛先
融資申込事業者

ファクタリングは、売掛金の買い取りであるため、ファクタリング会社は売掛金が確実に回収できるかを審査の重要な点のひとつであるため売掛先を審査します。したがって、申込人が他社での借入金の延滞や納税を滞納している場合でも、審査に通る場合があります。

融資は、申込先の信用状況を金融機関は審査するため、他社の借入金の返済が滞っていたり、納税を滞納している場合、また、個人信用情報で「異動」(いわゆるブラックリスト)の登録がされている場合、取引先が優良であっても審査には通りません。

資金調達方法の選び方

資金調達の手段であるファクタリング、融資それぞれの相違点について説明しました。

続いてどのようなケースでどちらを選べばいいのかについて解説します。

融資が向いている場合

融資に向いているケースは主に次の2つです。

  • 大きな金額が必要な場合

設備投資を考えたときにファクタリングでは売上が発生した後の売掛金の買い取りであるため、先行投資には向いていません。その点融資であれば、審査に必要な事業計画書などを提出する書類などは増えるものの、事業拡大のために多額の資金を調達することが可能です。調達できた資金で設備投資を行い、飛躍的に企業が成長する可能性を秘めています。

  • 低金利で資金調達したい場合

ファクタリング、特に2社間ファクタリングでは金利に相当する手数料が売掛先の信用状況によっては10%を超える場合があります。一方、融資は審査の結果や期間によりますが、1~2%台での借入も可能であり、長期的な視野から見れば経費負担はファクタリングに比べ軽いものと考えられます。

ファクタリングが向いている場合

ファクタリングに向いているケースは主に次の2つです。

  • 資金がすぐに必要な場合

ファクタリング、融資それぞれに審査があるものの、融資の審査には1ヵ月近くかかることも珍しくなく、場合によっては資金が必要な時にまだ審査中ということも起こり得ます。一方、ファクタリングであれば2社間ファクタリングなら3日余りで審査が終わり売掛金の買い取りをファクタリング会社が行い資金調達が可能となります。

  • 申込人に信用事故や納税滞納などがある場合

申込人が他社での借入金を延滞していたり、あるいは納税を滞納している場合、融資であれば申込人の信用状況および納税状況は審査する上で必要不可欠な要件であり、企業状況を審査する前に借入不可となってしまいます。その点、ファクタリングは売掛先の信用状況が審査のメインとなります。なぜなら、ファクタリング会社は利用先から売掛金を買い取るため、信用状況が重要なのは利用先でなく売掛先であるためです。

まとめ:ファクタリングと融資の違いを理解して資金調達をしよう

ファクタリングと融資の違い、及び資金調達においてファクタリングが向いている場合、融資が向いている場合について説明しました。

ファクタリングは売掛金の買取であるため、返済の必要がなく、審査にかかる日数が短いことが特徴で、売掛先に知られないまま資金調達が可能な資金調達手段です。

一方、融資は一般的に審査に時間がかかるものの、内容によっては高額な資金が調達でき、事業拡大の強い味方となってくれます。

ファクタリング、融資それぞれの違いや特徴を理解して資金調達を行っていただくことを願っています。

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