農業の資金繰り改善にはファクタリングがおすすめ
農業は今後の日本社会を支えるために重要な産業です。自給率を上げる「食物安全保障」の重要性が増しています。また、農業を営む人の高齢化、後継者不足も深刻な状況になっています。
その中では農業の「6次産業化」も叫ばれています。
1次産業(農業)×2次産業(工業)×3次産業(商業、サービス業)=6次産業です。農業を営む人が、ワンストップサービスで、農作物の加工(2次産業)を行い、販売(3次産業)まで手掛けるようにして、人口減に対応した農業を構築しなければならなくなっています。
そうした農業では資金繰り不足が常態化します。そのための資金調達方法としてさまざまな方法があります。ファクタリングもその方法の1つです。
今回はファクタリングも含めて、農業の資金繰り、資金調達について考えていきます。
農業の資金繰り
農業の資金繰りは製造業と比べて不安定になりやすい構造的要素があります。まずこちらを押さえておきましょう。
売上が不安定
生育がよく、野菜が獲れすぎると価格が下がり売上が落ちてしまいます。作れば作るほど売れるという物ではなく、また、保存も効かない野菜や果物も多く、腐ってしまいます。
一定期間にそこそこの価格で売り切らないと農業が儲かりません。
また、自然災害や疫病で一気にダメになってしまう可能性もあります。台風が来て野菜が全部だめになってしまう可能性もあります。
畜産業の場合、鳥インフルエンザや豚熱で飼育している動物を全頭殺処分にするかもしれません。売上が非常に不安定なのが農業の資金繰りを悪化させます。
次項で述べますが、農作物は「季節商品」なので売れる時期が限られ不安定になります。
回収サイトの長さ
農業は大抵採れた農作物を農協におろしますが、その場合、売掛金が回収されるのが遅く、長くて半年後ということもあります。
さらに、工業のように年中生産できるわけではありません。
お米を例にすると
- 田んぼの準備:冬~春
- 田植え:春
- 成長、稲作管理:夏
- 収穫:秋
つまり、農作物として米を出荷できるのは収穫後数か月のみです。売上が季節性で偏ってしまいます。春の田植え時期にトラクターや田植え機が壊れても、現金がないというかのうせいもあります。かといって融資を待っていては夏になってしまいます。農業は時間との戦いでもあります。
二毛作や二期作できる作物は限られます。またビニールハウス等で通年栽培を可能にしても、その管理コストがバカになりません。冬に温度調整の機械が壊れれば大変なことになります。
農業で使える資金調達方法
農業で使える資金調達方法として以下のものがあります。必要に応じて利用して、資金需要に対応してください。
JAバンクの融資
JA(農協)は融資業務も行っています。農協によって運営される金融機関がJAバンクです。JAバンクでは大きく分けて
- 農業を営んでいる人が利用できる融資
- 「認定農業者」が利用できる融資
- 新規に農業を開業しようとしている人が利用できる融資
の3つがあります。JAバンクで融資を受けるには、一定の出資金(1000円~10000円くらい)を出して、農協の組合員になることが必要です。これはJAバンクはあくまで組合員の相互扶助のための組織だからで、信用金庫や信用組合に近いイメージです。
農業専門の金融機関なので、重機や農業施設などへの設備資金は、他の金融機関より優遇金利で借りられます。
また、家畜、肥料代、施設の光熱費など運転資金の融資も受けられます。細かいメニューがあり農家のさまざまなニーズに対応しています。
農業を行っている人はまずJAに聞いてみるとよいでしょう。さすがに、組合員になっていない人はいないはずです。
日本政策金融公庫の融資
政府系金融機関である日本政策金融公庫も農業を対象にしています。通常の運転資金や設備資金の他にも、農業に特化した、農業者向け融資として以下のメニューを用意しています。
- スーパーL資金:認定農業者 3億円~10億円
- 経営体育成強化資金:条件を満たす農業者 最大5億円、必要資金の80%まで応需
- 農業改良資金:6次産業法の認定を受けた事業者 最大1.5億円
日本政策金融公庫は税金を投入していて、ある程度の貸し倒れリスクを許容して融資を行っています。そのため、審査基準は民間金融(銀行)と比べて易しめです。
農業の特殊事情についても把握しているため、特に認定農業者に対しては手厚いサービスを提供しています。農業振興、自給率向上、6次産業化など国、政府の意向を反映させやすいのが政府系金融機関である日本政策金融公庫なので、その流れに沿った融資の審査は通りやすいと言えるでしょう。
銀行の融資
民間金融機関の融資です。民間金融機関は営利目的なのは否定できず、小規模農業をしている人への融資は厳しくなる可能性があります。
JAバンクや日本政策金融公庫を利用しながら、不足している部分をそのほかの民間金融機関で補うという考えのほうがよいでしょう。
ファクタリング
上述のように農業の売上は実際に入金されるまで期間が長く、売掛金として計上しています。売掛金はキャッシュではないので、売上に計上しながら支払うキャッシュがないことで、黒字倒産のリスクがあります。
ファクタリングは売掛債権を入金日到来前に買い取ってもらう制度です。「10月31日に500万円の売掛金を受け取る権利(債権)」を10月1日に450万円で買い取ってもらうイメージです。
手数料分減りますが、売掛金入金日前にキャッシュを得られます。こうすることで、運転資金が足りなくて支払いできない場合の「黒字倒産」リスクを下げられます。
資金調達まで数日で、融資を受けるよりも迅速に資金を得られます。また、信用情報照会もないため、過去に返済事故を起こした農業者の方も問題なく利用できます。
補助金・助成金
農業にかかわる補助金や助成金も資金調達として使えます。農林水産省の補助金以外にも、経済産業省のものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金なども利用できますし、自治体独自の農業向け補助金や助成金もたくさんあります。
他の資金調達と異なるのは、補助金や助成金は後払いで、事業が完了(あるいは設備を購入)し、報告まで終わらないと入金されないことです。それでも返済不要のお金なので、上手に活用すると経営改善につながります。
農業の6次産業化で成功している事例は、補助金や助成金を上手に活用しているケースが多いです。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングを利用して資金調達するメリットは融資にないものです。ぜひ農業を行っている方は、ファクタリングの利用を検討してみてください。
審査から資金化まで早い
融資の場合、審査に時間がかかり、申し込みをしてから2週間~1か月程度の時間を要します。しかし、ファクタリングの場合は申し込んで数日内に資金化できます。最短即日資金化を謳うファクタリング会社もあります。
融資の場合、銀行法や貸金業法の規制に縛られ、やらなければならないことが多いので時間がかかりますが、ファクタリングは民法の一般原則が適用されるだけの私人間の契約です。
そのため当事者の合意が得られれば速やかに資金化できます。
支払いサイトが長い売掛債権を有効活用できる
農業は売掛金の支払いサイトが長く、それが運転資金をショートさせる原因になります。しかし支払いサイトが長い売掛債権があれば、その間好きなタイミングでファクタリングによって資金化できます。
まるで当座預金のように、必要なタイミングで必要な額を「売掛金口座」から引き出せるようなイメージです。農業における売掛金の支払いサイトが長いことを逆手にとって、好きなタイミングで資金化できます。
信用情報と無関係
ファクタリングは融資ではないので、信用情報照会がありません。また利用歴についても、信用情報に記載されません。ファクタリングの事実は信用情報に何の影響ももたらしません。
従って、過去に返済事故を起こしている「信用情報ブラック」の方、既存の借入が多い方、消費者金融からの借入歴がある方なども、ファクタリングであればまったく問題なく利用可能です。
ファクタリングを多く利用しても、以後のファクタリングにも融資にも影響しません。これは大きなメリットになります。
まとめ:農業の資金調達はファクタリングを利用するのがおすすめ
以上、農業の資金調達について解説しました。農業では災害や疫病などで育てていたものがダメになってしまうリスクがあります。また売掛金の回収サイトも長く、急に手持ち現金が必要になっても調達できない事態も考えられます。
農業従事者向け融資もありますが、融資である以上審査に時間がかかります。予定されている設備資金であれば融資でよいのですが、突発的な運転資金に対して融資で対応すると間に合わない可能性があります。
そこで、売掛金のサイトが長いことを利用して、その「売掛金をもらう権利」を売却するファクタリングを活用してみましょう。ファクタリングならば、融資ではないので、資金化までの期間が短く、信用情報にも影響しません。
選択肢の1つとしてファクタリングを知っていることで、いざというときに慌てずに済みます。ぜひファクタリングの活用をご検討をお願いします。
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