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ファクタリングの基礎知識

ファクタリングとは?仕組みや選び方から注意点まで詳しく解説

「ファクタリング」という新しい資金調達方法が近年注目されています。これまでの「融資」「借入」とどこが違うのか、またその種類や分類はどのようになっているのか、今回解説します。

皆様の資金調達方法のもう1つの選択肢として、ファクタリングについて頭の片隅にでも入れておいていただければ幸甚です。

それではファクタリングについて解説していきます。

ファクタリングとは

まず、ファクタリングというシステムについて説明します。一般的な融資などと違うことがご理解いただけるはずです。

ファクタリングは借入ではない

まず「ファクタリング」について説明します。ファクタリングは「売掛債権の譲渡」です。事業者はものを掛売しています。「○日締め翌月●日払い100万円振り込んでください」のように請求書を出し、●日の期限が到来したら、売掛先(クライアント、債務者)がその代金を支払います。

ファクタリングは「●日に代金100万円をもらう」という債権をファクタリング会社に期限(●日)前に買い取ってもらうものです。

「5月末日締め7月15日100万円支払ってください」という請求書を出した場合、7月15日以前、例えば6月20日に「7月15日に100万円受け取る権利」をファクタリング会社に売ることで、現金(100万円-手数料)を手にできます。

7月15日が到来して、売掛先からお金が振り込まれたら、それを買い取ってもらったファクタリング会社に返済するシステムです。

あくまでゲームや書籍を中古ショップに売却するのと同じ立て付けであり、融資、借入とは異なります。借入は銀行法や利息制限法などによって厳しく規定されていますが、ファクタリングは売掛債権の譲渡なので、まったく異なります。むしろ古物商、古物売買に近い立て付けであり、借入、融資関係の法律は適用されません。

他の資金調達との違い

一般的な銀行融資との違い

ファクタリングは売掛債権の「譲渡」ですが、銀行融資は銀行法等に規定されている「借入」です。借入は返済義務があり、支払利子を上乗せして返済します。

ファクタリングとビジネスローンの違いについて表にしました。それぞれ明確に異なるのでポイントを押さえておいてください。

銀行系融資消費者金融系ローンファクタリング
融資可能金額1000万円前後1000万円前後売掛金の金額以下(80%~95%)
金利数%利息上限(18%)前後手数料を年利換算すると100%超も
審査期間1週間~半月数日即日も可能
返済期間数年数年売掛金一括返済
担保、保証人必要なものもある不要売掛金が一種の担保
金融ブラックの人利用不可利用不可利用可能
追加融資可能可能不可能
目的事業用資金事業用資金ある程度裁量あり(不良債権になりそうなものの事前回収なども可能)

ファクタリングは融資ではないので信用情報に問題がある「金融ブラック」の人も利用できます。一方で、ファクタリング手数料を金利換算すると、年利100%超えになるケースも多いです。しかし、ファクタリングは融資ではないので、利息制限法などが適用されません。

審査は早く、即日現金化も可能になっています。

ABL(売掛債権担保融資)との違い

根本的な違いとしてABLは売掛を担保に「融資」を受ける行為であり、ファクタリングは売掛債権を「売却」することで資金を調達します。ABL融資の場合、担保付き借入を返済すれば、またその動産や売掛金を担保に新しい融資を受けることが可能です。

一方、ファクタリングの場合、売掛債権の譲渡になるので、資金を調達できるのはその1回のみで、以降はその権利自体がファクタリング会社に渡ってしまいます。自分のものから他人のものになり、以後、その権利については何の権限も持たなくなります。

「融資」と(有償)「譲渡」という大きな違いがあることを踏まえておきましょう。

手形割引との違い

手形割引は「裏書」(指定様式に則って手形の証券の裏面に書く)や金融機関とのやり取りなどが煩雑です。時間も金融機関の場合数日かかることがあります。専門業者は即日換金も可能です。

一方、ファクタリングの場合、即日換金が容易で、契約書のコピーがあれば買取が可能なので、手続きが簡単です。本当に急いで資金調達が必要な人は、早くて簡単なファクタリングを使ったほうがメリットがあります。

手形割引には「償還請求権」がありますが(手形発行元が倒産した場合、手形譲渡された人が代わりに支払う義務)、ファクタリングには原則償還請求権がありません。売掛債権を譲渡してしまえば、あとは返済義務がなくなります。

ファクタリングの契約方式

ファクタリングには大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という枠組みがあります。それぞれどのように違うのか概説します。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、債権者(申し込み人)とファクタリング会社のみで成立するファクタリングです。売掛先(債務者)にはファクタリングしていることは知られずにできます。

債権者が期日になったらファクタリング会社に自主的に返済を行うことを前提としているもので、信用重視です。したがって、取引がない債権者の場合、手数料が高くなります。一般的な手数料の相場は10%~20%になっています。

3社間ファクタリング

2社間ファクタリングと異なり、売掛先(債務者)にもファクタリングの事実を告げて同意のものとで行われるのが3社間ファクタリングです。

ファクタリングの事実はバレますが、資金回収はファクタリング会社が売掛先から直接行うため、貸し倒れになるリスクが低く、手数料は2社間ファクタリングと比べてかなり低い水準、1%~9%(1桁)となっています。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの比較

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを比較表にしました。

2社間ファクタリング3社間ファクタリング
手数料高い(10%~20%)低い(1%~9%)
審査の基準やや厳しい緩い
クライアントへ通知されない、バレないされる、バレる
売掛金の回収申し込み人が振り込むファクタリング会社がクライアントから回収する
迅速性速いやや時間がかかる
債権譲渡登記業者に求められれば必要「第三者対抗要件」を通知する場合に必要

迅速性を重視する場合、売掛先の同意が不要な2社間ファクタリングとなります。しかし、手数料が高くなるので、そのあたりもよく考えて行ってください。

3社間ファクタリングの場合、ファクタリングの事実がバレます。「この会社は資金繰りが悪化しているのか?」という評価を受けてしまうかもしれません。今後の取引に影響する可能性ゼロではないので、2社間ファクタリングの高手数料と3社間ファクタリングのバレリスクをしっかり比較して、よりダメージが少ない方を選んでください。

ファクタリングの種類

ファクタリングの原則は上に書いた通りですが、いくつかの種類に分かれることを知ってください。それぞれ微妙に目的が異なります。場合分けをして紹介していきます。

買取型ファクタリング

まず「買取型ファクタリング」と呼ばれるものです。買取型ファクタリングは、最初に説明したように売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい現金化します。

一括ファクタリング

一括ファクタリングシステムとは、従来の手形払いに代わる支払方法で、申込者(債権者)が有する売掛債権に対して、金融機関がファクタリングを利用したシステムにより、決済事務の合理化を図るものです。

手形の発行・交付の場合、手形法に沿って厳格な手続きが必要になりますが、一括ファクタリングはファクタリングなので、手形法の規定や規制を受けず、フレキシブルな運用が可能です。

手形への記載や手形の管理、や手形の保管など事務管理の手間が省け、結果的にコストが手形決済の場合と比べて下がるメリットがあります。

国際ファクタリング

国際的な取引の際に、通常、輸出国の銀行の信用状「L/C」(取消不能信用状(Irrevocable Letter of Credit、保証状(Letter of Guarantee、Stand-by Letter of Credit)によって、信用取引を行います。

それに代わる方法としてファクタリングの仕組みを応用したのが国際ファクタリングです。

輸出業者→国内のファクタリング会社→国外、海外のファクタリング会社→輸入業者4社すべてが同意して行う「4社間ファクタリング」になります。海外のファクタリング会社は、売掛先(輸入業社)について信用調査も併せて行い、貸し倒れリスクが低い会社であることを証明します。

何か大きなトラブルや政情不安、災害などによって支払いが滞った場合、請求書に加えて船荷証券)の提出をすることで、回収不能になった場合の売掛金買い取りを行います。

買取型ファクタリングの一種ですが、保証型ファクタリングに近い構図になっています。

手数料はそれほど高くなく、0.7%~2%(毎月)で、保険料と考えるとそこまで割画家ではありません。

医療ファクタリング

医療ファクタリングは「医療報酬ファクタリング」「診療報酬ファクタリング」と呼ばれることもあります。病院、クリニック、整骨院など、国民健康保険や社会保険から「診療報酬」の支払いを受ける医療機関が申し込み人になります。

3社間ファクタリングであり、売掛先は国民健康保険や社会保険支払基金になります。これらの売掛先は倒産も不渡りもリスクはほぼゼロで(倒産したら日本が終わる)、国民健康保険や社会保険支払基金側も個々の医療機関がファクタリングを使おうが、どうでもいいので3社間ファクタリングのデメリットのイメージ低下もありません。

手数料が激安で、0.1%台からあり、融資を受けるのとほとんど変わりません。信用情報に影響されないだけ、医療機関の方がメリットが大きく、推奨されるまであります。

保証型ファクタリング

買取型ファクタリングとは異なり、貸し倒れ防止、不渡りが起きた時の「保険」として行うのが「保証型ファクタリング」になります。自社の資金繰りに問題なくても、売掛先の経営に不安があったり、ちょっと怪しい、どのような経営者事業運営しているのかわからない会社だったりする場合、売掛金の支払いが滞る、できない可能性があります。

こちらが財やサービスを提供して、債権者となっているのに債務者が債務不履行になるリスクがあります。そのリスクを回避するため、ファクタリング会社に「保証料」のような形で手数料を支払い、いざというときに(回収できなかった時に)ファクタリング会社が債権者(申込人)に保証額(通常100%、満額)を支払います。

相手から回収できなくなったときに代わりにファクタリング会社が支払ってくれます。信用保証協会や保険会社のようなイメージです。

ファクタリングのメリット

ファクタリングには借入、融資による資金調達にはない大きなメリットがあります。このメリットがあるからこそファクタリングが社会的に大きく浸透してきています。

スピードが早い

ファクタリングは売掛債権の請求書を中心に審査をするので、現金までのスピードがとても早いのが特徴です。融資のように決算書や過去の信用情報をもとにじっくり審査を行いません。

その請求書の信用性と売掛先から確実に回収できるならば、それで買取可と判断し、速やかな現金化を可能にします。

未回収リスクを回避できる

売掛先の経営状態が怪しい場合、期日に売掛金回収ができない可能性があります。倒産や不渡りを起こしてしまえば、不良債権になってしまいます。

ファクタリングによって売掛先がまだ支払い余力があるうちに現金を回収できます。また、保証ファクタリングなどを使えば、貸し倒れになった時の保険にもなります。

ファクタリングによって回収不能になる前に、多少手数料は引かれるものの、売掛金の回収ができます。

業績や財務状況に関わらず利用できる

融資の場合決算書や確定申告書によって直近の業績を厳しく査定されます。売り上げから融資の返済原資をねん出できなければ話にはならないからです。

しかし、ファクタリングの場合業績や財務状況は関係なく、その請求書通りに売掛金が支払われるかどうかが大事です。たとえ借り入れが多い、業績がよくない事業者でも、請求書通り売掛金の回収が可能ならばファクタリング会社は買い取ります。ファクタリング会社が重視するのは、申し込み人(債権者)の業績や財務状況ではなく、売掛先(債務者)の業績や財務状況なのです。

負債にならない

融資、借入を行うとそのお金は「負債」として貸借対照表に計上されます。負債が多ければ融資を受ける際にも不利になりますし、債務超過などに陥りやすくなります。

しかしファクタリングは負債になりません。「資産」に計上されている売掛金を、売却することで資本(総資産)にコンバートする行為です。負債に計上せず、資本(総資産)のキャッシュフローが増えます。

ファクタリングのデメリット

一方でファクタリングにはデメリットも多く、安易に使うことに警鐘を鳴らす声もあります。しっかりメリットとデメリットを比較してください。

手数料がかかる

ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングで10%~20%、3社間ファクタリングで1%~9%が相場だと言われています。これを融資の金利に換算すると、特に2社間ファクタリングの場合100%超えになります。

融資の利率は利息制限法で20%以下と決められています。つまり、融資の金利に換算すると「法外」に高くなります。これだけの手数料を支払うことについて、事前にしっかり効果を見極めてください。

取引先の信用によっては利用できない

ファクタリングで重視されるのは、申し込み人(債権者)の信用ではなく、売掛先(債務者)の信用です。売掛金回収ができないリスクがある請求書の買取はできません。取引先(売掛先)の信用をファクタリング会社は重視します。

取引先との関係が悪化する可能性がある

3社間ファクタリングを行う場合、ファクタリングの事実は取引先(売掛先)にバレます。自社の経営がよくない、資金繰りが悪化していることを伝えてしまうことになるため、取引先としてもこれまでのようなビジネスを行ってよいか迷うはずです。

関係が悪化というか、取引について売掛先が見直すリスクがあります。

違法業者と取引してしまうリスクがある

ファクタリングは融資と違い、細かい規定がなく、ファクタリング業者になる方が銀行や貸金業者になるよりもはるかに簡単です。つまり、貸金業者すら追い出された闇金業者などがファクタリング会社を隠れ蓑にして事業者を食いものにしている可能性があります。

銀行や消費者金融と異なり、ファクタリング会社の許認可は非常に緩いので、とんでもない違法業者に引っかかる可能性があります。

ファクタリングサービスの選び方

ファクタリング会社は銀行や消費者金融のような許認可の審査が緩いので玉石混交です。そうした中でどのように選べばよいのでしょうか?ポイントをまとめてみました。

手数料

ファクタリング手数料は融資の利率のように法的な上限がありません。しかし、あまりに高すぎる手数料はもはや闇金融と変わりません。

2社間ファクタリングならば10%~20%、3社間ファクタリングならば1桁%でなるべく低い値のところを選びましょう。ただし、契約の条件などはしっかり確認してください。ただ手数料率が低いだけで、貸し倒れになった場合の「償還請求権」ある契約はむしろ不利になります。

入金スピード

ファクタリングは融資と比べて審査のスピードが速いのが特徴です。どのくらいスピードがあるのか、必ずしも即日現金化は必要ないかもしれませんが、あまり審査のスピードが遅いファクタリング会社は避けた方が賢明です。

利用可能額

利用可能額についても確認します。自社の規模が小さければあまり気にしなくてよいかもしれませんが、金額によって手数料率が異なることも考えられます。

適切な規模で自社の資金需要に応えられる利用可能額かどうかしっかり判断してください。

信頼

ファクタリング会社が信頼できるのか、闇金融などの偽装ではないのかしっかり確認してください。会社名、代表者名、所在地、連絡先(固定電話か)、設立年数、事業の沿革、これまでの実績などがHPなどで確認できるかチェックしてください。

銀行系のファクタリング会社ならば信頼度は高く、利用しても問題ないはずです。

ファクタリングの種類や方式

ファクタリング会社が取り扱っているファクタリングの種類や方式も確認しておきましょう。最初に例示した国際ファクタリングや保証ファクタリングなどは実施している会社が少ないです。

取り扱いメニューがないのにそれを希望してファクタリング会社に行っても意味がありません。事前にファクタリング会社が取り扱うメニューをしっかりチェックしてください。

契約の流れ

ファクタリング契約の流れについて簡単にまとめました。

問い合わせ・事前相談

まずファクタリング会社に問い合わせて、どのくらいファクタリングをしたいのかなどを相談します。ここで、危ないファクタリング会社であれば契約せずに撤退するのも大切です。

債権譲渡の通知・内諾(3社間の場合)

2社間ファクタリングの場合は不要ですが、3社間ファクタリングの場合債権譲渡(請求書買い取り)について、売掛先に通知をして内諾を得る必要があります。そしてここで売掛先にファクタリングの事実がバレます。

申し込み

ファクタリングの申し込みをします。店舗に行き対面での申し込みが基本ですが、最近はオンライン契約ができるファクタリング会社も増えてきました。オンラインの場合、すべてWEB上で完結します。

資料提出

後述の契約に必要な書類を提出します。持参や郵送に加えて、ネット上からデータをアップロード、メール送信なども会社によっては可能です。

審査

審査は請求書の内容を中心に、売掛先の経営状況、申込者の人となりなどをもとに行います。事業者と言いながら事業実態がない人を排除するため、確定申告書などで申込者の経営状況についてもチェックします。

契約・入金

審査で問題ないということになれば債権譲渡契約(ファクタリング契約)を交わして、手数料を引いた金額が入金されます。

ファクタリング会社への支払い(2社間の場合)

3社間ファクタリングの場合は、ファクタリング会社が売掛先から直接売掛金を回収しますが、2社間ファクタリングの場合は、申込者(債権者)が売掛金入金後、ファクタリング会社に支払いを行います。

契約に必要な書類

ファクタリング契約に必要な書類は、個々のファクタリング会社によって異なりますが、大体に共通するのが以下の書類になります。これらをもとにファクタリング審査が行われます。

登記簿謄本(法人の場合)

法人であることの対外的な証明です。法人であれば絶対に登記簿謄本が取れるので提出します。出せない場合は、その会社は法人ではない、うそをついているかもしれません。

身分証明書

ファクタリングする代表者の身分証明書です。本人ではない人が本であると偽ることを防ぎます。

印鑑証明書

個人の印鑑証明書も必要です。残念ながらまだ日本はハンコ社会なので、求めるファクタリング会社が多いです。印鑑証明書を取得するためには、その前に印鑑登録という手続きが必要になります。

決算書(法人の場合)or 確定申告書(個人の場合)

事業を行っていることを確認するため、法人の場合決算書、個人事業主の場合確定申告書のコピーを提出します。融資の時のように経営状態の厳格なチェックはあまりありません。

通帳などの入金確認書類

売掛先から継続的に売掛金が入金されているか、通帳で確認します。単発の売掛金をファクタリングするのは難易度が高く、継続取引していて次も確実に入金される売掛金の買い取りをファクタリング会社は求めます。

売掛金証明書類(請求書、契約書など)

売掛金、売掛債権が存在することの証明です。これは絶対に必要になります。これをファクタリングで買い取るわけです。

売掛先企業との基本契約書

「〇日締め、翌月●日払い」など売掛金がどのような契約になっているのか確認するための書類です。こちらも最重要書類になります。

ファクタリングの注意点

ファクタリングを申し込む際には注意すべきことがあります。ファクタリング専門の法律がなく、自分の身は自分で守らなければなりません。

給料ファクタリングなど貸金業に該当しないか

事業の売掛債権ではなく、会社員などが自分の給料をファクタリングする(給料をもらう権利を売る)ことについては、裁判で実質融資と変わらないという判決が出ています。

融資と変わらないということは、法的な許可を得ている銀行や貸金業者が、利息制限法の範囲内の年利で行わなければなりません。

おそらく給料ファクタリングを行っている会社は、融資の許可がなく、金利も利息制限法の上限をはるかに超えているはずです。

融資なのにその資格がない人が行っているのは明確な違法行為です。

保証人や担保を要求されないか

ファクタリングは債権の買い取りなので、保証には担保は原理的に不要です。毎月返済していくものではなく、売掛金を回収しておしまいです。

保証人や担保を求められた場合、これはファクタリングではなく融資です。融資ならば手続きも契約も異なりますし、銀行や貸金業者の資格が必要です。つまり、ファクタリングでこれを求められるということは、先方が違法業者である可能性が高いのです。

契約書に問題はないか

契約書に「償還請求権」などがある場合、これもファクタリングとして不適当です。償還請求権とは、売掛債権譲渡後回収不能になった場合、その分を債権者(申込者)が返済する契約です。

これがあると、ファクタリングによって貸し倒れを防ぐというメリットが帳消しになります。契約書の内容についてしっかり確認してください。

契約条件が明確か

そのほかあいまいな契約条件がないか確認してください。ファクタリングは融資のようにガチガチな規制はなく、いい意味でも悪い意味でも当事者間の契約が有効になります(明らかに違法ではない限り)。

ということは申込者に不利な契約も有効になるということであり、それは自己責任になります。民法や商法の一般原則を逸脱しない限り、有効になる。悪徳業者はそこを狙ってくるので注意してください。

まとめ:ファクタリングを理解したうえで適切かつ有効に活用しよう

ファクタリングはこのような制度でさまざまなメリットとデメリットがあります。新しい資金調達方法なのでまだ法整備が追い付いておらず、良くも悪くも当事者間の合意が優先します。

そこを狙っている悪質な業者もいるため、自己防衛が必要です。場合によってはファクタリングに強い専門家のアドバイスも仰ぎながら必要最小限の利用から始めてみましょう。

融資のように金利の返済に追われることはなく、売掛金で手数料を支払い、その残りが自分の手取りになるため、カード破産のようなことにはなりにくいはずです。

新しい資金調達方法としてファクタリングについてぜひ考えてみてください。

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